Don't grade it. Just enjoy!

洋楽の歌詞の和訳をしてます。意見や誤訳等あれば、教えていただけると幸いです。

The Cutter - Echo & The Bunnymen【歌詞・和訳】

 

 

こんにちは。今回は80年代に活躍し現在も活動を続けるイギリスのバンド、Echo & The Bunnymen(エコー&ザ・バニーメン)の「The Cutter」の歌詞と和訳の紹介です。

 

 

Echo & The Bunnymen(エコー&ザ・バニーメン)

BBC Musicより

 

1978年にイギリスはイングランドリヴァプールにて、ボーカリストのIan McCulloch(イアン・マッカロク、写真左から1人目)、ギタリストのWill Sergeant(ウィル・サージェント、写真左から3人目)、ベーシストのLes Pattinson(レス・パティンソン、写真左から2人目)の3人で結成されたバンド(1980年にドラマーのPete de Freitas(ピート・デ・フレイタス、写真左から4人目)が加入)。陰鬱ながらも力強い歌詞と、ベースとドラムが生み出す緊迫感に満ちたリズムの上で鳴らされる妖艶なギターの音色が印象的な、「ネオ・サイケ」と呼ばれる作風で知られている。粒揃いのシングルとアルバム、気迫溢れるライブパフォーマンスで80年代前半には当時最も勢いのあるバンドのひとつとして人気を博した。80年代後半に入ってからピートの事故死をはじめとするトラブルが続出、1993年に一度解散するも、1996年に残されたオリジナルメンバー3人で再結成。以降はイアンとウィルの2人を中心に、現在に至るまで活動を続けている。これまでに13枚のスタジオアルバムと30曲近いシングル曲をリリースしており、代表的なアルバムに『Crocodiles』、『Heaven Up Here』、『Porcupine』、『Ocean Rain』などがあり、代表曲に「The Cutter」、「The Killing Moon」、「Bring On The Dancing Horses」、「Lips Like Sugar」、「Nothing Lasts Forever」などがある。

今回紹介する「The Cutter」は、全英アルバムチャートで2位をマークした、彼らの代表作のひとつである3rdアルバム『Porcupine』からの2ndシングル。

 

 

▼目次

※和訳だけ見たい方は、目次から「The Cutter - Echo & The Bunnymen【歌詞・和訳】」の項へ跳んで下さい

 

 

「The Cutter」について

 

 

全英シングルチャートで8位をマークした彼らの最大のヒットソングのひとつ「The Cutter」は、全英アルバムチャートで彼らにとっての最高位となる2位をマークした、彼らの代表作のひとつである3rdアルバム『Porcupine』からの2ndシングルになっています。

 

"Spare us the cutter /  Spare us the cutter / Couldn't cut the / Mustard"、直訳すると「そのカッターを寄越さないでくれ/そのカッターを寄越さないでくれ/マスタードからし菜)を切れなかった/そのカッターを」という意味になる(からし菜...??)何とも謎めいた歌詞が印象的ですが、実は「cut the mustard」は「期待に応える」というイディオム(成句)だったりもするそうです(基本的に否定的な意味合い、つまり「can't cut the mustard(期待に応えられない)」という形で使うみたいです)。

 

ものを切り刻み、期待に応えることもできないCutter(ちなみに「Cutter」と聞くと日本人はあの「カッターナイフ」を想像すると思うんですが、この単語はカッターナイフも含んだもっと広義の「ものを切るもの」、いわば「裁断器」みたいな意味合いだそうです)を拒み、俺たちは「海の中のただの別の雫(just another drop in the ocean)」にはならないと歌う本楽曲は、自分たちを切り離そうとするものに抗い、エコー&ザ・バニーメンというバンドとして、唯一無二、オンリーワンの存在であろうとする、彼らのアツい思いが込められた一曲なのではないかと思います。

 

ちなみにイントロや曲中でヴァイオリンで印象的な音を奏でているのは、インドのヴァイオリニストのL. Shankerという方だそうです(アメリカのバンドTalking Headsトーキング・ヘッズ)やアメリカのシンガーソングライターLou Leed(ルー・リード)との仕事でも有名)*1。インドの古典音楽に息づく「Raga(ラーガ)」という独特の旋律を取り入れた本楽曲は、彼らの代表曲であると同時に、80年代のポスト・パンクから90年代以降のオルタナティブ・ロックへと、ロック・ミュージックの歴史の架け橋的役割の一端を担った楽曲でもあるように感じられます。

 

 

Apple Music

The Cutter

The Cutter

  • provided courtesy of iTunes

 

 

▼音源(YouTubeより)


www.youtube.com

 

 

The Cutter - Echo & The Bunnymen【歌詞・和訳】

 

 

Cutter...

 

裁断器...

 

Who's on the seventh floor?

Brewing alternatives

What's in the bottom drawer?

Waiting for things to give

 

7階にいるのは誰だ?

代案を企んでいる奴は

一番下の引き出しに入っているのは何だ?

与えるものを待っているそれは

 

Spare us the cutter

Spare us the cutter

Couldn't cut the

Mustard

 

寄越さないでくれ、その裁断器を

寄越さないでくれ、その裁断器を

期待に応えられなかった

その裁断器を

 

Conquering myself until

I see another hurdle approaching

Say we can, say we will

Not just another drop in the ocean

 

そのときまで自分自身を抑えている

俺の視界に別の障害が飛び込んでくるまで

言えよ、俺たちはやれると 言えよ、俺たちは違うと

海の中の、ただの別の雫にはならないと

 

Come to the free for all

With Sellotape and knives

Some of us six feet tall

We will escape our lies

 

全てのために自由になれ

セロテープとナイフを手にして

俺たちの何人かは、背丈が6フィートある

俺たちは自分たちの嘘から逃げるだろう

 

Spare us the cutter

Spare us the cutter

Couldn't cut the

M-m-mustard

 

寄越さないでくれ、その裁断器を

寄越さないでくれ、その裁断器を

期待に応えられなかった

その裁断器を

 

Conquering myself until

I see another hurdle approaching

Say we can, say we will

Not just another drop in the ocean

 

そのときまで自分自身を抑えている

俺の視界に別の障害が飛び込んでくるまで

言えよ、俺たちはやれると 言えよ、俺たちは違うと

海の中の、ただの別の雫にはならないと

 

<♪>

 

Am I the happy loss?

Will I still recoil

When the skin is lost?

Am I the worthy cross?

Will I still be soiled

When the dirt is off?

 

俺は幸福な喪失なのか?

俺はそれでも後ずさりするのだろうか?

その肌が失われたときに

俺は価値ある十字架なのか?

俺はそれでも汚されるのだろうか?

その汚れが落ちたときに

 

Conquering myself until

I see another hurdle approaching

Say we can, say we will

Not just another drop in the ocean

Ocean

 

そのときまで自分自身を抑えている

俺の視界に別の障害が飛び込んでくるまで

言えよ、俺たちはやれると 言えよ、俺たちは違うと

海の中の、ただの別の雫にはならないと

海の中の...

 

Watch the fingers close

When the hands are cold

 

その指が閉じるのを見ろ

その手が冷えるときに

 

Am I the happy loss?

Will I still recoil

When the skin is lost?

Am I the worthy cross?

Will I still be soiled

When the dirt is off?

 

俺は幸福な喪失なのか?

俺はそれでも後ずさりするのだろうか?

その肌が失われたときに

俺は価値ある十字架なのか?

俺はそれでも、汚されるのだろうか?

その汚れが落ちたときに

 

Am I the happy loss?

Will I still be soiled

When the dirt is off?

 

俺は幸福な喪失なのか?

俺はそれでも汚されるのだろうか?

その汚れが落ちたときに

 

 

歌詞に登場する気になる単語・熟語をチェック!

 

 

cutter:切る道具、裁[切]断器[機]

 

brew:<陰謀・悪事などを>たくらむ

 

alternative:(ほかに)とりうる方法、代わり、代案

 

drawer:引き出し

 

spare:<人・物>に危害を与えない

 

mustard:からしマスタード

 

cut the mustard:基準に達する、期待にそう[応える]

 

conquer:(精神力で)<激情を>抑える

 

hurdle:障害、困難

 

approach:<問題などに>取りかかる

 

recoil:(驚き・恐怖などで)あとずさりする、ひるむ

 

worthy:価値のある

 

soil:<家名などを>汚す

 

dirt:(特に、つくべき所でない所についた)不潔物、泥、ほこり、ごみ、垢

 

 

シングル「The Cutter」やアルバム『Porcupine』等の試聴・購入はこちら!

 

 

▼デジタル音源📂♫

 

<シングル>📻♫

 

●「The Cutter」

★全英シングルチャート8位

自分たちを切り離そうとするものに抗い、バンドとして唯一無二の存在であろうとする思いが感じられる、3rdアルバム『Porcupine』からの2ndシングル!(1983年リリース)

The Cutter

The Cutter

  • provided courtesy of iTunes

 

●「Back Of Love」

3rdアルバム『Porcupine』からの1stシングル!(1982年リリース)

Back of Love

Back of Love

  • provided courtesy of iTunes

 

<アルバム>📕♫

 

●『Porcupine』(スタジオアルバム)

★全英アルバムチャート2位

全英アルバムチャートで彼らにとっての最高位となる2位をマークした、彼らの代表作のひとつである3rdアルバム!大ヒットシングル「The Cutter」をはじめ、「Back Of Love」ほか全10曲を収録!(1983年リリース)

Porcupine

Porcupine

  • エコー&ザ・バニーメン
  • ポップ
  • ¥1120

 

●『Songs To Learn And Sing』(ベストアルバム)

エコバニ入門にぴったり!デビューから1985年当時までにリリースされたシングルの中から、ヒットシングル10曲(+新曲「Bring On The Dancing Horses」)を選り抜いて収録したベストアルバム!(1985年リリース)

Songs to Learn and Sing

Songs to Learn and Sing

  • エコー&ザ・バニーメン
  • ロック
  • ¥1630

 

●『Live At The Royal Albert Hall』(ライブアルバム)

エコバニのライブを追体験してみたい人はぜひ!彼らが行ったライブの中でも白眉と言われる、1983年にイギリスはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたライブの音源を収録したライブアルバム!

Echo & The Bunnymen - Live At the Royal Albert Hall

Echo & The Bunnymen - Live At the Royal Albert Hall

  • エコー&ザ・バニーメン
  • ロック
  • ¥1630

 

 

▼フィジカル音源💿♫

 

●『The Killing Moon - The Singles 1980-1990』輸入盤CD(ベストアルバム)

エコバニ入門にぴったり!彼らが80年代にリリースしたシングルの中から、ヒットシングル13曲を選り抜いて収録したベストアルバム!(2017年リリース)

Killing Moon - the..

Killing Moon - the..

Amazon

 

●『Echo & The Bunnymen Original Album Series』輸入盤CD(ボックスセット)

エコバニをもっと聴いてみたくなった人におすすめ!ファンや批評家の間で人気の高い初期のスタジオアルバム5作品をまとめた、お得なボックスセット!

 

収録内容:

『Crocodiles』(1980年リリースの1stアルバム、「Rescue」「Crocodiles」ほかを収録)

『Heaven Up Here』(1981年リリースの2ndアルバム、「A Promise」「Over The Wall」ほかを収録)

Porcupine(1983年リリースの3rdアルバム、「Back Of Love」「The Cutter」ほかを収録)

『Ocean Rain』(1984年リリースの4thアルバム、「The Killing Moon」「Silver」「Seaven Seas」ほかを収録)

『Echo & The Bunnymen』(1987年リリースの5thアルバム、「Lips Like Sugar」「The Game」ほかを収録)

 

 

●『Porcupine』輸入盤アナログレコード(スタジオアルバム)

★全英アルバムチャート2位

ファンの間で高い人気を誇るエコバニの初期4作品がアナログレコードでリイシュー!全英アルバムチャートで彼らにとっての最高位となる2位をマークした、彼らの代表作のひとつである3rdアルバム!大ヒットシングル「The Cutter」(全英シングルチャート8位)をはじめ、「Back Of Love」ほか全10曲を収録!(オリジナル盤は1983年、リイシュー盤は2021年リリース)

※こちらはアナログレコードです。再生にはレコードプレーヤー等の専用の再生機器が必要になりますので、ご注意ください。

 

●『Songs To Learn And Sing』輸入盤アナログレコード(ベストアルバム)

1985年にリリースされたエコバニのベストアルバムがアナログレコードでリイシュー!エコバニ入門にぴったり!デビューから1985年当時までにリリースされたシングルの中から、ヒットシングル10曲(+新曲「Bring On The Dancing Horses」)を選り抜いて収録したベストアルバム!(オリジナル盤は1985年、リイシュー盤は2022年リリース)

※こちらはアナログレコードです。再生にはレコードプレーヤー等の専用の再生機器が必要になりますので、ご注意ください。

 

 

▼その他

 

<映像作品>

 

●『Echo & The Bunnymen Live At The Albert Hall 1983』(ライブフィルム)

エコバニのライブを追体験してみたい人はぜひ!彼らが行ったライブの中でも白眉と言われる、1983年にイギリスはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたライブの映像を収録したライブフィルム!
※現在、YouTubeのチャンネル「Official Echo & The Bunnymen & Ian McCulloch」にて公開されています


www.youtube.com

 

 

最新情報はこちら!

 

 

バンド日本版公式サイト:https://wmg.jp/echo-the-bunnyman/

 

バンド公式サイト:https://www.bunnymen.com/

 

 

-----