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洋楽の歌詞の和訳をしてます。意見や誤訳等あれば、教えていただけると幸いです。

Club Foot - Kasabian【歌詞・和訳】

 

 

こんにちは。今回は2004年のデビューから現在に至るまで、20年来に渡ってシーンの第一線で活躍を続けてきた稀有なイギリスのバンド、Kasabianカサビアン)の「Club Foot」の歌詞と和訳の紹介です。

 

 

Kasabianカサビアン

▲CREATIVEMANより

 

1997年にイギリスはイングランドのレスターにて、Serge(サージ)ことギタリストのSergio Pizzorno(セルジオ・ピッツォーノ、写真左から2人目)、ボーカリストのTom Meighan(トム・ミーガン、2020年に脱退)、ギタリストのChris Karloff(クリス・カーロフ、2006年に脱退)、ベーシストのChris Edwards(クリス・エドワーズ、写真左から4人目)の4人で結成(2004年にドラマーのIan Matthews(イアン・マシューズ、写真左から3人目)が、2021年にギタリストのTim Carter(ティム・カーター、写真左から1人目)が加入)。不安や恐怖、怒りや欲望といったダークな感情が渦巻きつつも、ときおり感傷的なムードやユーモアも顔をのぞかせる歌詞や、ロックをベースにしつつもエレクトロニカやヒップホップなどのロック以外の音楽からの影響も色濃い、サイケデリックでダンサブルなサウンドが印象的な「オルタナティブ・ロック」を作風としている。これまでに30曲以上のシングルと7枚のスタジオアルバムをリリースしており、代表的な楽曲に「Club Foot」「L.S.F. (Lost Souls Forever)」「Empire」「Shoot The Runner」「Fire」「Underdog」などがあり、代表的なアルバムに『Kasabian』『Empire』『West Ryder Pauper Lunatic Asylum』『Velociraptor!』などがある。

今回紹介する「Club Foot」は、イントロの荒々しく歪んだベースラインと暴力の気配が漂うスリリングな歌詞が印象的な、1stアルバム『Kasabian』からの2ndシングル。

 

 

▼目次

※和訳だけ見たい方は、目次から「Club Foot - Kasabian【歌詞・和訳】」の項へ跳んで下さい

 

 

祝!!カサビアンの12年ぶりの単独来日公演が決定!!

 

 

2年ぶり通算8作目のスタジオアルバム『Happenings』のリリース、そして彼らの地元であるイギリスはイングランドのレスターにあるヴィクトリア・パークでの大規模なライブ「Summer Solstice II」の開催、さらには世界最大級の音楽フェスティバル、グラストンベリー・フェスティバルへのシークレット枠での出演(!)などなど、活発な活動で私たちファンを大いに楽しませてくれているカサビアンですが、さらに嬉しいことに、今年の10月に彼らの単独来日公演が決定しました!🎉🎉

 

 

▲バンドのX(旧Twitter)公式アカウントより

 

 

▼バンドの日本版公式サイトより

www.sonymusic.co.jp

 

 

フェスでの来日はコンスタントにあったものの、単独での来日は実に12年ぶり(!)のことになるそうですね。今回のツアーは10月の3日間で東京と大阪を巡るツアーとなっており、東京公演は10月7日(月)と10月8日(火)に「Zepp Haneda」にて、大阪公演は10月10日(木)に「Zepp Osaka Bayside」にて行われる予定になっています。チケットの一般発売は7月20日(土)の午前10時から開始されています。現状、東京公演も大阪公演も2階指定席は既に売り切れており、残りは1階スタンディングのみとなっています。当日までまだまだ時間に余裕はありますが、絶対に行きたい!という方は、お早めにどうぞ。詳細については、下記のリンクからご確認ください。

 

 

KASABIAN - CREATIVEMAN PRODUCTIONS

www.creativeman.co.jp

 

 

先日のグラストンベリー・フェスティバルへのシークレット枠での出演は本当に驚きでしたね。グラストへの出演自体、彼らがヘッドライナーを務めた2014年以来、実に10年ぶりのことだったそうですよ。

 

 

▲バンドのX(旧Twitter)公式アカウントより

 

 

現在、イギリス国営放送BBCの音楽専門YouTubeチャンネル「BBC Music」からは、そのグラストンベリー・フェスティバルのステージから「Fire」のライブ映像がアップロードされているので、ぜひご覧ください。文字通り「燃える」ようなパフォーマンスです🔥🔥🔥🔥🔥

 

 

▼「Kasabian - Fire (Glastonbury 2024)」(YouTubeより)


www.youtube.com

 

 

また、かねてより予告されていた彼らの地元であるイギリスはイングランドのレスターにあるヴィクトリア・パークにて行われた大規模ライブ「Summer Solstice II」も、つつがなく終了しました。

 

 

▲バンドのX(旧Twitter)公式アカウントより

 

 

2014年に同じく彼らの地元であるイギリスはイングランドのレスターにあるヴィクトリア・パークにて行われた第一回「Summer Solstice」は、後に本国で発売された5thアルバム『48:13』の豪華盤にその模様を収めたライブフィルムのDVDが同梱されましたが(2020年にはバンドの公式YouTubeチャンネルでも公開されました)、今回も何らかのかたちで本ライブの映像ないしは音源を世に出してくれたら嬉しいな、と思います。

 

 

新生カサビアン、クリスやイアン、ティムさんの盤石ぶりはもちろんのこと、サージのフロントマン然とした佇まいも随分と様になってきていますよね。普通にめちゃくちゃカッコいいです。往年の数々のヒット曲に加え、先行シングルだけでもライブ映えしそうな楽曲がてんこ盛りのニューアルバム『Happenings』を引っ提げての来日公演、どんなものになるのか今から楽しみです。

 

 

「Club Foot」について

 

 

イントロの荒々しく歪んだベースラインと暴力の気配が漂うスリリングな歌詞が印象的な本楽曲「Club Foot」について、ベーシストのクリスは「愛と人生についての曲」、ギタリストのサージは「復讐と、それに方を付けることについての曲」と述べています*1

 

「俺」を含めた周囲の人間の心を弄んだ挙句、自らの計略によって「俺」のもとを去る羽目になってしまった「お前」を求め、暴力の気配漂う日々に身を投じていく「俺」の姿を描いた本楽曲、スリリングな満ちたサウンドと歌詞は、何度聴いても刺激に満ち満ちていますね(でも、なんでそんな曲のタイトルが「Club Foot(湾曲肢、内反足)」なんだろう...?)。

 

本楽曲「Club Foot」をはじめとして、1stアルバム『Kasabian』の楽曲は暴力の気配が漂うスリリングな雰囲気を持った歌詞が特徴的です。本楽曲のミュージックビデオは、1969年にソ連の侵攻への抗議として焼身自殺したチェコスロバキアの学生のJan Palach(ヤン・パラフ)*2に捧げられており、またビデオには1989年に中国で起きた天安門事件の直後、天安門広場に通じる長安大街の路上にて戦車の列の前に立ちはだかった若い男(通称"Tank Man(タンク・マン)")*3のオマージュと思わしき一場面があったりと、戦争や体制、暴力への抵抗をイメージさせる人物や出来事へのオマージュがしばしば見られます。

 

2ndアルバム『Empire』以降はこういった戦争や体制、暴力への抵抗をイメージさせるスリリングな雰囲気は鳴りを潜めてしまうのですが(こういった雰囲気は本作を最後にバンドを脱退してしまうギタリストのChris Karloff(クリス・カーロフ)がもたらしていたものなのかな?とも思います)、それが本作『Kasabian』を特別視させる所以にもなっているように感じます。

 

停滞して久しかったイギリスのロックミュージックシーンに革命を起こしうる異端児としてバンドが大きな期待をかけられることとなった本楽曲「Club Foot」とアルバム『Kasabian』、リリースから実に20年余りの月日が経ちましたが、聴く者を惹きつけて止まないそのスリリングな魅力が色褪せることはありません。

 

 

▼音源(Apple Musicより)

Club Foot

Club Foot

  • provided courtesy of iTunes

 

▼ミュージックビデオ(YouTubeより)


www.youtube.com

 

▼ライブ映像(YouTubeより)

2014年に、彼らの地元であるイギリスはイングランドのレスターにあるヴィクトリア・パークにて行われたライブ、「Summer Solstice」からのライブ映像!


www.youtube.com

 

 

Club Foot - Kasabian【歌詞・和訳】

 

 

One take control of me

You're messing with the enemy

Said it's two It's another trick

You're messing with my mind I wake up

Chased down an empty street

Blinded smacked the broken beat

Said it's gone with the dirty trick

It's taking all these days to find you 

 

 

始めに俺を支配して、

お前は敵を弄んでいる

奴はこう言った、「これは次の一手、別の計略さ」

お前は俺の気持ちを弄んでいる 俺は目を覚ます

人気のない通りを追いかけた

目を眩まして、打ちのめした 壊れたビートを

奴はこう言った、「そいつは行っちまったよ、汚い計略と一緒に」

俺はお前を見つけるために、日々をずっと費やしているんだ

 

 

Ahhhhhhhh I tell I want you

Ahhhhhhhh I tell I need you

 

 

Ahhhhhhhh お前が欲しいんだ

Ahhhhhhhh お前が必要なんだ

 

 

Thrills take control of me

Stalking 'cross the gallery

All the pills got to operate

The coloured grids and all invaders

There it goes again

Take me to the edge again

All I got is this dirty trick

I'm chasing down the wolves to save you

 

 

スリルが俺を支配する

地下道を通って、後を密かに付ける

全ての錠剤が作用し始めた

色が塗られた街路と、全ての侵入者

それが再び始まる

俺を再び縁へと連れていく

俺が手にしたのは、この汚い計略だけ

俺はお前を救うために、狼どもを追いかけているんだ

 

 

Ahhhhhhhh I tell I want you

Ahhhhhhhh I tell I need you

Ahhhhhhhh the blood on my face

Ahhhhhhhh I just wanted you to near me

 

 

Ahhhhhhhh お前が欲しいんだ

Ahhhhhhhh お前が必要なんだ

Ahhhhhhhh 俺の顔に付いた血

Ahhhhhhhh ただ、お前に側に居て欲しかったんだ

 

 

<♪>

 

 

Ahhhhhhhh I tell I want you

Ahhhhhhhh I tell I need you

Ahhhhhhhh the blood on my face

Ahhhhhhhh I just wanted you to near me

 

 

Ahhhhhhhh お前が欲しいんだ

Ahhhhhhhh お前が必要なんだ

Ahhhhhhhh 俺の顔に付いた血

Ahhhhhhhh ただ、お前に側に居て欲しかったんだ

 

 

歌詞に登場する気になる単語・熟語をチェック!

 

 

club foot:湾曲肢、内反足

 

take control of O:...を支配[管理、制御]する

 

mess with O:<人>をだます、…に面倒なことを起こす

 

trick:計略、策略、たくらみ、ごまかし

 

blind:<光・涙・埃などが><人>の目を見えなくする、<目>を一時的に見えなくする

 

smack:<人>を(こぶしで)ぶんなぐる

 

thrill:〔...で/...して〕(喜び・恐怖・感動などで)ぞくぞく[わくわく]すること[感じ]、スリル〔of (doing) / to do〕、ぞくぞくさせるもの

 

stalk:<動物・人などが>(捕まえる[殺す]ために)動物[人]にこっそり近付く、動物[人]の後をそっとつける

 

gallery:地下道

 

pill:錠剤、丸薬

 

operate:<物・事が>〔...として〕作用する、機能する〔as〕

 

coloured:色のついた、着色した

 

grid:(街路・地図の)碁盤目

 

invader:侵略者[国、軍]、侵入者

 

wolves:wolf(オオカミ)の複数形

 

 

シングル「Club Foot」やアルバム『Kasabian』等の試聴・購入はこちら!

 

 

▼デジタル音源📂♫

 

<シングル>📻♫

 

●「Club Foot」

クリス曰く「愛と人生についての曲」、サージ曰く「復讐と、それに方を付けることについての曲」だという、イントロの荒々しく歪んだベースやスリリングな雰囲気が漂う歌詞が印象的な、1stアルバム『Kasabian』からの2ndシングル!(2004年リリース)

Club Foot

Club Foot

  • provided courtesy of iTunes

 

●「L.S.F. (Lost Souls Forever)」

サージ曰く「命のある限り人生を楽しめ」というメッセージが込められた曲であり、ライブでは特大のシンガロングを巻き起こす一曲として今も昔も必ずといって良いほどセットリストに上る、1stアルバム『Kasabian』からの3rdシングル!(2004年リリース)

L.S.F.

L.S.F.

  • provided courtesy of iTunes

 

●「Swastika Eyes (Jagz Kooner Mix)」

※こちらは関連アーティストの楽曲となります

カサビアンの折衷主義的な音楽性を形容する際に引き合いに出されることも多い、イギリスのバンドPrimal Screamプライマル・スクリーム)の6thアルバム『XTRMNTR』からの1stシングル!本楽曲は2つの異なるバージョンがあり、こちらはイギリスの音楽プロデューサーのJagz Koonerがミックスを担当したバージョンになります。(1999年リリース)

 

●「The People」

※こちらは関連アーティストの楽曲となります

カサビアンと同期のイギリスのバンド、The Music(ザ・ミュージック)の代表曲のひとつ!当バンドのボーカリストの「Rob(ロブ)」ことRobert Harvey(ロバート・ハーヴェイ)さんは、2021年からカサビアンのライブにおけるサポートメンバーとしてバンドに参加しており、先日発売されたばかりのカサビアンのニューアルバム『Happenings』では、先行シングル「Call」をはじめいくつかの楽曲でバックコーラスに参加しています。(2002年リリース)

The People

The People

  • ザ・ミュージック
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

<アルバム>📕♫

 

●『Kasabian』(スタジオアルバム)

カサビアンの代表作のひとつ!ロックをベースとしつつエレクトロニカやヒップホップからの影響も感じさせる尖ったサウンドと、暴力の気配を感じさせるスリリングな歌詞が印象的な1stアルバム!彼らの代表曲である「Club Foot」や「L.S.F. (Lost Souls Forever)」をはじめ、「Reason Is Treason」「Processed Beats」「Cutt Off」など全13曲を収録!(2004年リリース)

 

●『XTRMNTR』(スタジオアルバム)

※こちらは関連アーティストのアルバムとなります

カサビアンの折衷主義的な音楽性を形容する際に引き合いに出されることも多い、イギリスのバンドPrimal Screamプライマル・スクリーム)の6thアルバム!(1999年リリース)

 

●『The Music』(スタジオアルバム)

※こちらは関連アーティストのアルバムとなります

カサビアンと同期のイギリスのバンド、The Music(ザ・ミュージック)の代表作!当バンドのボーカリストの「Rob(ロブ)」ことRobert Harvey(ロバート・ハーヴェイ)さんは、2021年からカサビアンのライブにおけるサポートメンバーとしてバンドに参加しており、先日発売されたばかりのカサビアンのニューアルバム『Happenings』では、先行シングル「Call」をはじめいくつかの楽曲でバックコーラスに参加しています。(2002年リリース)

The Music

The Music

  • ザ・ミュージック
  • ロック
  • ¥1935

 

 

▼フィジカル音源💿♫

 

●『Kasabian』(スタジオアルバム)

カサビアンの代表作のひとつ!ロックをベースとしつつエレクトロニカやヒップホップからの影響も感じさせる尖ったサウンドと、暴力の気配を感じさせるスリリングな歌詞が印象的な1stアルバム!彼らの代表曲である「Club Foot」や「L.S.F. (Lost Souls Forever)」をはじめ、「Reason Is Treason」「Processed Beats」「Cutt Off」など全13曲を収録!(2004年リリース)

 

▼国内盤CD(おすすめ!)

こちらは国内盤のCDになります。解説・歌詞対訳が付くほか、国内盤CD限定のボーナストラック「Club Foot (Jagz Kooner Vocal Mix)」「Sand Clit」や、「Club Foot」のミュージックビデオのメイキング映像などが収録されています。

 

▼輸入盤(CD・アナログレコード等各種フォーマットあり)

こちらは輸入盤になります。CDのほか、デジタル音源やアナログレコード等の各種フォーマットも取り扱っています。

KASABIAN [Analog]

 

 

▼その他

 

<映像作品>🎥♫

 

●『Kasabian Summer Solstice 2014』(ライブフィルム)

2014年6月21日に、彼らの地元であるイギリスはイングランドのレスターにあるヴィクトリア・パークにて行われたライブ「Summer Solstice」の模様を収録したライブフィルム!5thアルバム『48:13』を引っ提げてのライブツアーの初日にあたる本ライブは、彼らのホームグラウンドでのライブということもあり、バンドも観客も十二分に温まった、見応え十分の素晴らしいライブになっています。

 

▼『Kasabian Summer Solstice 2014』(YouTubeより)

youtube.com

 

 

カサビアンのニューアルバム『Happenings』が好評発売中!

 

 

先日、12年ぶりの単独来日公演の開催が発表されたイギリスのバンド、カサビアンのニューアルバム『Happenings』が現在好評発売中です。

 

 

▲バンドのX(旧Twitter)公式アカウントより

 

 

ソニーミュージック洋楽のX(旧Twitter)アカウントより

 

 

収録された全10曲全てがランニングタイム3分半以内に収められており、アルバムの総ランニングタイムはなんと約30分(!)という大変にコンパクトな仕上がりながら、バラエティ豊かなサウンドとフック満載の歌詞が印象的な、仕上がりのコンパクトさとは裏腹に物足りなさなど微塵も感じさせない、非常に洗練されたカサビアン流のオルタナポップソング集になっています。本作からはニューアルバムのリリース告知より以前にリリースされていた「Algorithms」をはじめ、「Call」や「Coming Back To Me Good」、「Darkest Lullaby」など計4曲が先行シングルとしてリリースされています。

 

 

▼「Call」ミュージックビデオ(YouTubeより)


www.youtube.com

 

 

▼「Coming Back To Me Good」音源(YouTubeより)


www.youtube.com

 

 

▼「Darkest Lullaby」ミュージックビデオ(YouTubeより)


www.youtube.com

 

 

▼「Algorithms」リリックビデオ(YouTubeより)


www.youtube.com

 

 

楽曲のイントロや曲間のインタールード等の余分なものを徹底的にそぎ落とし、ヴァースやコーラス、ブリッジといったポップソングの基礎の部分にフォーカス、そしてバラエティ豊かなサウンドとフック満載な歌詞を「これでもか!!」と詰め込んだと思わしき本作の楽曲は、一聴して心をガシッと掴まれるような、キャッチーな楽曲が目白押しのアルバムになっています。「Call」や「Coming Back To Me Good」などのラジオ受け&ライブ映えしそうな先行シングル群はもちろんのこと、個人的にはサイケデリックサウンドと物悲しい歌詞のギャップが印象的な一曲「Bird In A Cage」や、異なるジャンルの音楽を混ぜ合わせて独自のサウンドを創り出す自らの制作スタイルを錬金術師(Alchemist)のそれに例えるサージらしさが遺憾なく発揮された一曲「Hell Of It」、そして「We're not here for a long time / Just here for a good time (俺たちは徒に時を過ごすためにここにいるんじゃない/楽しい時を過ごすためにここにいるんだ)」という歌詞が心に響く素朴ながらも力強い一曲「Algorithms」もお気に入りでした。

 

さて、僕のつたない言葉でつらつらと本作を語ってきましたが、そんなカサビアンの2年ぶり通算8作目のスタジオアルバム『Happenings』(日本語に訳すと『事件』という意味になりますね)について、サージはこんなふうに語っています*4

 

 

“It’s very much an album that can only be made today. The influences are there, but it’s been made with the tools that I have around me now. It’s a really simple sentiment. Every section has to be a chorus and demand attention for the whole album. It’s relentless in its course. I was always trying to make guitar music interesting. I don’t even know what you’d call our band. Are we a rock band? This time I was really into pop structure and making everything super clean and punchy – taking those kooky, crazy, weird sounds and making them hit like a modern record.

 

 

「今にしか作り得ないアルバムになっているよ。影響はあるけど、今、自分の周りにある道具で作った。本当にシンプルな感情で作ったんだ。どのセクションでもコーラスが起こって、アルバム全体への注意が促されなければならない。そこに関しては情け容赦がないね。俺はいつだって、ギターミュージックを面白くしようとしてきたんだ。君たちが俺たちのバンドをどう呼ぼうとしているかは分からないけどさ。俺たちってロックバンドなんだろうか?今回はポップの構造と、全てをすごくクリーンで力強くすることに本当に入れ込んでいたんだ──変わっていて、まともじゃなくて、おかしなサウンドを用いて、それをモダンなレコードのようにヒットさせようとしているんだ。」

 

 

“Every track has its own world. The track ‘Bird In A Cage’ has a Trent Reznor thing going on, has a Britney Spears thing going on, has a Beatles thing going on, has a Prince thing going on, then ‘Hell Of It’ has a J Dilla meets Justin Timberlake/Timbaland 2002 thing, then it goes into Parliament and Funkadelic, plus there’s some 1970s Nigerian funk.”

 

 

「どの曲にも独自の世界がある。'Bird In A Cage'って曲には、トレント・レズナーブリトニー・スピアーズビートルズ、プリンスの要素があって、それから'Hell Of It'ではJ・ディラジャスティン・ティンバーレイクティンバランドの2002年の曲と合流して、それから、パーリアメント・ファンカデリックの曲へと雪崩れ込んでいって、おまけに1970年代のナイジェリアン・ファンクのようなものまで聞こえてくるんだ。」

 

 

“The rules were the same for each track: to keep it tight and around three minutes. You know if you’ve got the greatest crack team of bank robbers in the world, right? The best guy with explosives, the best guy with maps, all that assembled. They plan the heist, they get in, they get out, bang, they get away with no police chase or anything. Before anyone knows it, the diamonds are gone – that is this record. It’s a well-executed bank heist. We’re in, we’re out, we’re done, and you’re left going, ‘Holy shit, how the fuck did they do that?’ I don’t know myself!”

 

 

「ルールはどの曲でも同じだった。曲をタイトに、そして3分程度にキープすること。そう、もし、世界で最も腕の立つ銀行強盗集団がいたとして、だよ。分かるかな?爆発物に長けた奴、地図に長けた奴、そんな奴らが、徒党を組んでいるんだ。彼らが強盗を計画して、実行して、撤収して...バン!彼らは警察の追跡も何も受けることなく、ずらかっているんだ。誰かがそれに気付く前に、ダイヤモンドは姿を消している──それが、このレコードだ。周到に行われた銀行強盗なんだ。俺たちは曲を作り、レコーディングをして、アルバムを完成させた。そして、このアルバムを聴いた人たちは、こう思うほかないんだ。『なんてこった、あいつらはいったいどうやってこんなものを作ったんだ?』ってね。俺自身、どうやってこんなアルバムを作ったのか分かってないんだよ!」

 

 

サージが言うように、本作は腕の立つ強盗集団の完全犯罪の様子を見ているかのような、聴いている者に有無を言わせる隙のないアルバムだと思います。聴いていてとにかく「楽しい!!」という気持ちが湧いてくる(そしてライブ映えすること間違いなし!)楽曲がてんこ盛りの本作『Happenings』、記事を覗きに来たついでに、ぜひ一度聴いてみてください。

 

 

▼デジタル音源📂♫

 

<シングル>📻♫

 

●「Call」【ニューシングル】

もしもし!こちらカサビアン、俺たちならいつでも行けます!己の内のフラストレーションをエネルギーに変換して思い切り叩きつけるかのような、ニューアルバム『Happenings』からの2ndシングル!(2024年リリース)

Call

Call

  • provided courtesy of iTunes

 

●「Coming Back To Me Good」【ニューシングル】

ラジオやライブでウケること間違いなし!キャッチーでありながら、サージらしいちょっと感傷的な雰囲気も感じられる、ニューアルバム『Happenings』からの3rdシングル!(2024年リリース)

Coming Back To Me Good

Coming Back To Me Good

  • provided courtesy of iTunes

 

<アルバム>📕♫

 

●『Happenings』(スタジオアルバム)【ニューアルバム】

カサビアンの通算8作目の(そして新体制のカサビアンとしてはめでたい2作目の)スタジオアルバム!本作におけるルールは「曲はタイトに、そして3分前後にキープすること」、目指したのは「ヘンテコなサウンドを、モダンなレコードのようにヒットさせること」!このアルバムに記録されているのは、レコーディングスタジオで起きた、本人たちですら理解できていない「事件(Happenings)」、その事実のみ。そう、例えるならそれは、「誰にも気付かれることなく行われた銀行強盗」のようで...?先行シングル「Call」「Coming Back To Me Good」「Darkest Lullaby」「Algorithms」ほか、全10曲を収録!(2024年リリース)

Happenings

Happenings

 

 

▼フィジカル音源💿♫

 

●『Happenings』(スタジオアルバム)【ニューアルバム】

カサビアンの通算8作目の(そして新体制のカサビアンとしてはめでたい2作目の)スタジオアルバム!本作におけるルールは「曲はタイトに、そして3分前後にキープすること」、目指したのは「ヘンテコなサウンドを、モダンなレコードのようにヒットさせること」!このアルバムに記録されているのは、レコーディングスタジオで起きた、本人たちですら理解できていない「事件(Happenings)」、その事実のみ。そう、例えるならそれは、「誰にも気付かれることなく行われた銀行強盗」のようで...?先行シングル「Call」「Coming Back To Me Good」「Darkest Lullaby」「Algorithms」ほか、全10曲を収録!(2024年リリース)

 

▼国内盤CD(おすすめ!)

こちらは国内盤のCD!解説・歌詞対訳が付くほか、ボーナストラックとして「Coming Back To Me Good」のアコースティック・バージョンが収録されています(初回仕様にはステッカーも付くみたいです)。

 

▼輸入盤(CD・アナログレコード等各種フォーマットあり)

こちらは輸入盤になります。CDのほか、デジタル音源やアナログレコード等の各種フォーマットも取り扱っています。

 

 

▼その他

 

<Webメディア>💻♫

 

●『カサビアンが語る予測不可能な変化、「ロック+ダンス」の追求と揺るぎない自信』(オンラインカルチャーマガジン)

オンラインカルチャーマガジン『Rolling Stone Japan』に、カサビアンのサージへの最新のインタビューが掲載されています。ニューアルバムのタイトル『Happenings』の由来や、いつになくポップでダンサブルな仕上がりとなったサウンドの意図、そしてバンドの新フロントマンとしてステージに立つことになったことへの思いなどなど、ディープな話が盛りだくさんの読み応えたっぷりな記事になっています(「キース・リチャーズになるはずだったのに、気付いたらミック・ジャガーになってた」のくだりは大いに笑わせてもらいました)。

rollingstonejapan.com

 

<書籍>📚♫

 

●『ロッキング・オン』2024年8月号(雑誌)

洋楽ファンの皆様にはお馴染みの老舗音楽雑誌『ロッキング・オン』!今月号にはカサビアンのサージへの最新のインタビュー記事も載っています!(サージの語り口が謎にフランクなのが気になりました笑)新企画なのでしょうか、名曲の歌詞と和訳を紹介する「Lyrics」というコーナーがあって個人的に「おっ」となりました。レッチリの「Under The Bridge」というチョイスが良かったです。歌詞がすごく良いんですよね。

 

 

最新情報はこちら!

 

 

バンド日本版公式サイト:https://www.sonymusic.co.jp/artist/kasabian/

 

バンド公式サイト:https://www.kasabian.co.uk/

 

 

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